ネパール

ダルバートとネパール料理のレシピ本と南アジアの料理本 

以前にも記事にしていましたがネパール料理のレシピ本が発売から1ヵ月たちました。そしておかげさまで重版!
ただひたすら嬉しいです。皆様ありがとうございます!
企画書を作成して提出してから1年半。頑張ってプレゼンしたり色々な経過があり長かったような短かったような。

 

■ダルバートとネパール料理

柴田書店さんからの購入はこちらから

アマゾンから購入はこちらから

→電子書籍
◆配信先URL
kindle https://www.amazon.co.jp/dp/B08BNKPSR3/
楽天kobo https://books.rakuten.co.jp/rk/f7da1beb366137e9b698c5a6881cce9d/
iBooks https://books.apple.com/jp/book/id1519941914
BOOK☆WALKER https://bookwalker.jp/de642024ff-8e40-42da-9f8d-adac67db396f/
honto https://honto.jp/ebook/pd_30393838.html

このレシピ本で紹介しているスパイス各種はスパイス堂のHPからも購入いただけます。もちろんクミン、コリアンダー、ターメリックはネパール産です。
※ネパール産はインド産に比べて挽き具合や香りが異なります。ぜひ一度ネパール産で作ってみてください!
■スパイス堂の通販ページ→https://nepalspice.com/

ちなみに以前書いた記事は下記のリンクから
■ネパール料理のレシピ本をつくってみたい→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2888

※初版のレシピにはいくつか修正が必要な個所があります。訂正箇所に関してはこちらをご確認ください。
※2刷り目は訂正しています!
未だこの本をご存じない方に本の内容を少し説明すると、とりあえずのダルバートやネパール料理のレシピが一通り載っていて、尚且つネパールの食文化についても記載もしてあり、それに加えてネパールにで料理のことを現地のネパールの人にこれ何?と聞きたいときに使用できる、野菜の名前から調理方法までをネパール語/日本語で記載しているという、自分でもネパール料理に興味が沸き、ネパールを訪れるようになった初期の段階にこんな本があれば間違いなく即購入していたよなという内容に仕上がりました。と思っています。なので、今までネパール料理の本でこういうの無かったし、まあまあの期間かけてフィールドワークしてきた僕のネパールの食文化のまとめみたいな感じにもなっています。

ほんと、この本は僕が一番好きな出版社の柴田書店さんから出版することが出来たし、ネパール語の権威の野津先生にネパール語の校正をお願いすることも出来たしと、凄く恵まれた環境の中での完成となりました。
野津先生は持ちろんですが、編集の井上さんには色々とお世話になり、ネパールの食文化に敬意を持って本の構成や編集作業に取り組んで頂き、細かな打ち合わせや何度も何度も校正→ミーティングという途方もない労力を惜しまずに費やして頂きました。普通はそこまで書かないよな、厚かましいかな、大丈夫かな、通るかな、という内容も全てOKして下さった心意気には本当に感謝の念しかないです。
あと、そもそも関西の小さなネパール料理店を営む僕が、柴田書店さんから出版できたのはひとえにスパイス番長の水野仁輔さんとナイル善巳さんの助言があったからでもあります。本当にありがとうございました!

 

 

ちなみに‼これとは別に実はもう一冊。スリランカ料理店「カラピンチャ」の濱田さんとインド食堂「タルカ」の大ちゃんとで南アジアの3か国の「ミールス、ダルバート、ライス&カリー」の料理本も発売されています。こちらはインセクツ出版さんから。

■ご購入はこちら→https://www.insec2.com/news/4909.html

 

 

この料理本は3か国の食文化の違いが1冊でわかるように取り組ん本です。やはりそれぞれの食文化は全然違うくて、けどごっちゃになっている人も多いと思うし、僕もライス&カリーやミールスを食べるときにダルバートを食べるときのような食べ方をしてしまうのですが、二人と話していたらそれぞれに食べ方というかルールはないんだけど、けど食べ方は違うみたいなのがあり、そんなのを感じてもらえれたらなと思います。
スパイス一つとっても調理する際の使い方は全然異なるし、ダールやおかずもワンプレートにおいてそれぞれ位置づけも違う。打ち合わせなどで3人と話す機会があるときにはいつも、南インドやスリランカ、ネパールの料理や食文化の根幹や各国の食に関する情景なんかも垣間見れたり、それによってもっとネパール料理の特徴が明確になったりと、色々と新しい発見がありと毎回が勉強の連続でした。こちらも制作作業はとても楽しかったです。
とにかく濱田さんにしても大ちゃんにしてもちょっとぶっ飛んでるなてくらいの熱量でいつも影響うけてます!

可能なら、コロナが落ち着いたら東京のお店で1dayタルカや1dayカラピンチャをやろうと計画したりしています。

 

しかし本当に今回の機会はとても良い勉強になりました。自分自身でもネパール料理に関しての認識を言語化するための作業を繰り返し繰り返し行い、途中もうやめよかなとか思うこともありましたが、なんとか2冊とも完成して良かったです。これらの本がちょっとでもネパールの食文化に貢献できれば良いなと思うし、ネパール料理を知らない人がネパール料理を知るきっかけにもなればと思います。

ネパール語でのネパール料理の調理方法など

今回は、ネパール語での調理方法を紹介します。
これが分かれば、ネパールの人にどうやって作ったかとか、どうやって作るのかを確認するときにも簡単。初めから知ってたら楽だったのになシリーズ。
※下記の一覧は通じやすいように簡単な動詞の活用形になっていて、それらの動詞と出来上がった料理や、今から調理する段階でどうやって作ったかを確認したいときに使えると思います。ちなみに、全然丁寧じゃないということもご理解お願いします。あと、ネパール語は発音が難しいのでカタカナ表記より英語表記の方を使用した方がまだ通じやすいと思います。
その他のネパール語に関しては下記のリンクよりご覧ください。
ネパールに行くときに、是非プリントアウトして持っていくと何かと便利かもしれません。

・その他の ネパール語 シリーズはこちらから
ネパール語での野菜の名前一覧→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2844
ネパール語での青菜の名前/豆の名前一覧→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2864
ネパール語での肉の名前一覧→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2044
ネパール語でのスパイスの名前一覧→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2047

■□■ 調理するときに良く使用する言葉 ■□■
※基本的に名詞にするときは、動詞の過去分詞+食材、文章にするときは、食材/料理+動詞

作る बनाउने/banaune/バナウネ
茹でる ऊसिन्ने/usinne/ウシンネ
茹でた ऊसिनेको/usineko/ウシネコ
煮る पकाउने/pakaune/パカウネ
煮た पकाएको/pakaeko/パカエコ
焼く पोल्ने/polne/ポルネ
焼いた पोलेको/poleko/ポレコ
炒める भुट्ने/bhutne/ブトゥネ
炒めた भटेको/bhuteko/ブテコ
燻す  सेकाउने/sekaune/セカウネ
燻した सेकाएको/sekaeko/セカエコ
干す सुकाउने/sukaune/スカウネ
干した सुकाएको/sukaeko/スカエコ
干された सुकेको/sukeko/スケコ
蒸す बफाउने/baphaune/バファウネ
蒸した बफाएको/baphaeko/バファエコ
揚げる तार्ने/tarne/タルネ
揚げた तारेको/tareko/タレコ

温める तताउने/tataune/タタウネ
温めた तताएको/tataeko/タタエコ
沸かす उमाल्ने/umalne/ウマルネ
沸かした उमालेको/umaleko/ウマレコ
冷ます चिस्याउने/chisyaune/チシャウネ
冷ました चिस्याएको/chisyaeko/チシャエコ
揉む/揉みながら混ぜる मोल्ने/molne/モルネ
ミックスする/混ぜる  मिसाउने/misaune/ミサウネ
ミックスした/混ぜた  मिसाएको/misaeko/ミサエコ
加える थप्न्/tapne/タプネ
浸水する भिजाउने/bhijaune/ビジャウネ
浸水した भिजाएको/bhijaeko/ビジャエコ
(包丁で)切る काट्ने/katne/カトゥネ
すり潰す/パウダーにする पिस्ने/pisne/ピスネ
すり潰した/パウダーにした पिसेको/piseko/ピセコ
味見する चाख्ने/chakhne/チャクネ

食材を洗う पखाल्ने/pakhalne/ポァカルネ
食器を洗う माज्ने/धुने→majne/dhune→マズネ/ドゥネ
拭く पुछ्ने /puchhne/プツネ
蓋をする छोप्ने/chhopne/チョプネ
入れる राख्ने/हाल्ने→rakune/halne→ラクネ/ハルネ
混ぜる चलाउने/chalaune/チャラウネ
※木べらや金属製のへらで鍋を混ぜるときに使う
出来た、完成した पाक्यो/pakyo/パキョ
奇麗に取る सोर्नु/sornu/ソルヌ
※ヘラや手を使ってボウルの中にあるものや皿にあるものを綺麗に取るときに使う

ネパールでは動詞の過去分詞形+食材で名詞になるのでそれがそのまま料理名になっているものも有ります。
例えば青菜の炒め物→भुटेको साग→ブテコ サーグとなります。直訳すると炒めた青菜ですが。。
たまに見かけるサーグブテコよりこっちの方がしっくりきます。日本の場合で言うと焼きおにぎりかおにぎり焼きかみたいな。ネパールでは質問で何を作っているのかとかそういう場合を除いてはサーグとしか言わない場合が多いですが。。
逆にその逆で食材+過去分詞の場合もあります。ピーナッツ サデコみたいな。
他には「干した/干された」で見てみると、自動詞と他動詞の関係で下記のようになります。

スカエコ クルサニ →(誰かが)干した唐辛子
スケコ クルサニ → (誰かに)干された唐辛子
クルサニ スカウネ? → 唐辛子を干す?
クルサニ スカエコ? → 唐辛子を干した?
クルサニ スクネ? → 唐辛子が干される?
クルサニ スケコ? → 唐辛子が干された?
※クルサニは唐辛子のこと。

また、蒸すなどは英語のsteam/スチームを使用したりするのが多いので上記の蒸す बफाउने/baphaune/バファウネははあまり聞かないです。英語を使った外来語も最近増えてきていますのでそのまま英語が通じる場合もあります。
※上記の一覧はカトマンドゥやポカラなどの都市部で主に使用されていると思われるものです。地方に行くと方言とかもあるので意味合いが変わる場合もありますのでご注意ください。

■□■おまけ■□■
下記は、レストランなどで覚えておけばコミュニケーションがちょっととれるネパール語。
是非一度試してください。

・こんにちは!/नमस्ते!/namaste!/ナマステ!
・ありがとう!/धन्यवाद!/danyabaad!/ダニャバード
・これは何ですか?/यो के हो ?/yo ke ho?/ヨ ケ ホ? 
・美味しいです/मिठो छ/mitho chha/ミトチャ
・~下さい/~दिनुस्/~dinus/~ディヌス
 ※ものを欲しい時や、お願いするときに名詞+ディヌスでPlease~と同じ意味になります。
・~おかわりすることはできますか?/~थाप्ना सक्छ?/~thapna sakchha?/~タプナ サクチャ?
 ※ダールの場合は~の部分をダールに置き換えて、ごはんの場合にはバートに置き換えればOKです。
・お腹いっぱいです/पुग्यो/pugyo/プギョ
・お元気ですか?/सन्चै हुनुहुन्छ?/sanchai hunuhunchha?/サンチャイフヌフンチャ?
・元気です/सञ्चै छु/sanchai chhu/サンチャイツ
・ご飯食べましたか?/खाना खानुभयो?/khana khanubhayo? カナカヌバヨ?
・いくらですか?/कति हो?/kati ho?/カティホ?

そんな感じで、ネパールに行った際にはネパール語で是非チャレンジしてみてください!

ネパールのタルー族の料理を求めて。ついでにポカラも。

今回は今年の2月に行った東ネパールの続きをしようと、東ネパールのビラトナガルに向かいました。
何故かというと、タルー族の料理をもっと知りたいという欲求があったからです。
ちなみに前回行った時の記事はこちらから→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2282

で今回はもう少し南に下って、ビラトナガルという町に行きました。

ビラトナガルの野菜のバザール

こんな感じ

オートリキシャー

とりあえず入った食堂のダルバート。

魚のカレーにしました。やっぱりカトマンズとかとは違う味付け。

これはチャート。チウラとじゃが芋のカレーの汁がたっぷり。

サモサ。

サモサについてるジャガイモの汁。

少し歩けばマイティリー族の農村。

こんな感じです。

水牛の乳のための飼育。

で!いくら探してもタルー族に出会わない。タルー族のカジャ屋に連れて行ってくれると約束していたホテルのスタッフにもすっぽかされる。インドみたい。

で!とうとう辿り着いた街でグンギ(ghunghi)を食す。やっとたどり着くがこれ一つ。納得はいかないがだいたいこんな感じ。お味は美味しい。以前に食べたものに比べても。

そして日程の都合でチトワンへ移動しようと思いバスで移動。の途中のItahariの街でのbhakha。

米粉から作ってアチャールと食べる。見た目は南インドのイドゥリーみたい。

ビラトナガルから約12時間のバス。むちゃくちゃしんどかった。

朝出発したのについたのはもう夜。セクワ屋さんを見つけて軽くいっぱい。

火が強すぎて黒い。。これぞネパールクオリティ。

翌日はsorahaへ。マスタードの花畑。これらはオイル用。

綺麗な河。水が澄んでいる。魚も泥臭くなくて美味しい。最近はカトマンズやマレクとかの魚はジャナクプルとかインドからきていて、なんというか調理しても泥臭さが残る。

そしてタルー族の村へ行く。釜戸の前のタル―族の女性たち。

裏庭から大根引っこ抜いてくれた。美味しかった。

シロウタでアチャールを作る。

これはタルー族のpokaを作る準備。バナナの葉。

もち米を蒸す。

次に魚のカレー。玉ねぎやトマトを使わずシンプルに昔ながらの調理で。

その間にバナナの葉でもち米を包む。

こんな感じ。

魚の調理中。

でその下の炭で焼く。

出来上がり。pokaはタルー族の新年に食べる料理だそうな。大みそかにpokaを焼く手前のバナナの葉で包むところまでしておいて、それと別にゼラチン質の多い魚でカレーを作る。翌日の新年の朝に焚き木をしながら沐浴をして、その火の下にpokaを入れて温めて、一晩寝かしてゼリー状になった魚のカレーと一緒に食すのが伝統だそう。もうちょっと調査が必要だけど。

出来上がった魚のカレー。すごく美味しかった!今回も色々と新しい発見が有り有意義な時間を過ごせた。

そして最後にふらふらと村を散策しているとおばちゃんが庭で豆を摘んでいた。

loharの豆。トゥール豆。これからまた乾燥するのだそう。

 

 

で、魚続きではないがどうしても食べたかったポカラの北側のカパウディへ。

去年もお世話になった女将さん。

マサラ潰す。

今回は蒸し魚とフィッシュヘッドカレーを作ってもらう。

凄く美味しい。ここの魚も臭みがなくとても美味しくいただいた。

蒸し魚もホクホクで美味しい!

↑で、今回びっくりしたのはポカラのホームステイ先でこれ知ってる?って見せてきたもの。カレーリーフ!
びっくりしたのが第一印象。そしてなんで?という疑問。

で、街を歩いているとカレーリーフを発見。そこの主人に伺うと最近インドからカレーリーフを広めるために苗を色々配っているそう。誰が広めようとしているのかは調査不足。ちなみに料理に使用されたカレーリーフの使い方はちょっと残念でした。

まあ、今まさに新しい食文化が根付くかもしれない瞬間を垣間見れたので良かったのですが。

 

そしていつもの安食堂。

毎日スクティーを干す。夜は運転手たちのたまり場。

ダルバート。

ヒマラヤ。やっぱり綺麗。

で、いったんカトマンズに戻り、リサーチしていたタル―族のレストランへも訪問。

内装はこんな感じ。

これはシピ(sipi) 。淡水の二枚貝。

左側のんがsipiで右側がghunghi。

グンギの下処理。

出来上がり。

こちらはタル―のカジャセット。こちらのスタッフに色々とタルー族の食文化の事を伺えてよかった。来年は西ネパールに行きたい。

しかしながら、食文化を掘るのは楽しいけど、やっぱり大変。

 

■番外編

こちらはパタンにあるちょっと変わったレストラン。各民族や地方の料理にフォーカスしている。ライ族やリンブー族、タルー族。季節ごとにメニューも変更する。

店内は清潔感のあるシンプルな作り。

興味あるなら厨房においでと誘っていただきレクチャーを受ける。

こちらはライ族やリンブ―族の郷土料理。苔や豚の血を使用する。

こんな感じ。

で豚肉を炒める。

ターメリックライスとキネマ(こちらも郷土料理。日本の納豆とは違うが煮ている)と一緒に食べる。美味しかった。

キネマでコクが出ているので深みのある味わい。

こちらはタンセン・パルパ地方のチャカウニ(奥のヨーグルトとじゃが芋の和え物)とバトゥック。

そしてこれはライ族やリンブ―族の豚料理。以前にも東ネパールで食べた豚の腸に米と血を入れて作る郷土料理。

もちろん美味しくビールでいただきました。

ここのレストランのオーナーはネワール族とバウン族のクロスカースト。しかもポカラ出身。ネパールのことに興味がある方ならご存じの通りまずこんなレストランは有りえない。色々な視点から見ても有りえない。なので若いオーナーになぜこのようなレストランをオープンしようとしたのかをインタビューした。

彼はインドネシアに1年間渡航した際にテンペに出会ったそう。しかも日本の文化にも興味があり、シンキ漬けや納豆などのことを知った際に、ネパールにも似たような食文化が有りすごく興味をもったそうだ。そこから彼自身がネパールの色々な民族の料理や地方の料理を探求し、研究し、レストランで紹介している。レストランに訪れたネパールの方々も、本当にこれがネパールで食べられているの?!とびっくりするらしい。そりゃびっくりするだろう。

なんかこういう人がネパールで活動するようになったことがすごく僕的には嬉しい。今までにはなかったことだし。しこもこれからこういったお店が増えるだろうとも僕は感じている。先述のタルー族のレストランだったり、東ネパールのバッカのみを取り扱うカジャ屋もカトマンズにできているし。なのでこの現象は、数年続いている外国の文化(特に西洋)を取り入れて変化してきたネパールの最近の都市部の食文化に対するカウンターだと思う。

そしてなにより僕自身もっと頑張って、日本でネパールでいろんな意味で影響を与えれるような活動をしていこうと改めて感じさせてもらった。

 

ブラウンマスタードシード/ネパール語名TORI(トリ)を育てて種を収穫するまで。

スパイスってどうやって収穫されてるかとか少し紹介しようかなと思い、今回はブラウンマスタードシードが出来るまでをご紹介します。なぜブラウンマスタードシードかというと、普通にからし菜を栽培して賄いに使おうと思ってたのですが、花が咲いてしまったので、ここまで来たら実を付けて種になるまでを撮影していった方が面白いかなと思っただけです。

ちなみに、種は普通にスパイスとして販売している種を使いました。普通『~とかシード』と呼ばれるスパイスは種なので、発芽します。※今回はネパール産のものを使用しました。

 

まずは種。

自家製プランター?で育てて、葉っぱの収穫時期。葉も美味しくいただきました。ネパール語でトリコサーグ。

その後ほったらかしていくと花が咲きます。※写真撮り忘れていたためラビンのおじさんの家で育てているものの写真。

その後、花と鞘との時期がきます。

花が咲いた後に鞘が実ります。これを大きくなるまで待って、刈り取ります。

その後乾燥したら鞘から種を取り出してスパイスとなります。

こんな感じでスパイスとしてのブラウンマスタードシードを収穫します。輪廻ですね。

スパイスも植物。こだわると深いし、特にシードやパウダーなどの既製品でスパイスとして完成されたものを見ると『香辛料』て思いがちですが、スパイスも生産されて収穫されてるものの一つだし、色々ともっと考えないといけないなと思いました。

夏休みにスパイスを育てるっていう自由研究にいかがでしょうか?

 

 

グンドゥルックの作り方とアチャールになるまで。※グンドゥルックとはネパールの発酵させた青菜を乾燥したものの呼称

グンドゥルック/Gunduruk。聞きなれない言葉ですが、ネパールでは保存食として色々な青菜を無塩発酵させて作ったもののことをこう言います。日本だと長野県のすんき漬けが無塩発酵させていてグンドゥルックに近いものになります。やっぱり山だし、冬は厳しいし、そういうエリアは保存食多くなるのかなと思ったり。

スパイス堂でもグンドゥルックを取り扱っていますので興味がある方はこちらもご参照ください。
https://dalbhat-shokudo.com/archives/2185

 

で、今回はグンドゥルックの作り方とアチャールの作り方までです。
※もしご家庭で作る際には十分に注意しカビや腐敗臭がしたら即刻捨ててください。作るのを推奨しているわけではなく実験として紹介いたします。

使用したのは大根菜。基本的にアブラナ科の葉を使用します。※アブラナ科の特にツーンとする辛みの強いものは殺菌効果が強いため比較的腐敗しにくい、と思います。これは今後科学的にチェックしてみたいです。マスタードシードやマスタード油もこの作用があるためネパールでの発酵系のアチャールに多用されていて、もちろんネパールではおばあちゃんの知恵袋的な感じだと思いますが、凄く興味深いです。

一度水洗いして干します。

その後、茎の部分を潰して瓶に詰めます。※瓶は殺菌済み。

そんで15日~1カ月、お日様の下で発酵させていきます。※写真なかったのでネパールでのもの。一番手前。ぎゅうぎゅうに押し込んで隙間が空かないようにします。

発酵が終わったらこんな感じ。いい匂い。乳酸発酵なので長く発酵させれば酸味が強くなります。

そしてこれをまた干します。カラッカラになるまで。季節にもよるけど3日から1週間。

そして完成。

ここからはアチャールの作り方を簡単に。まずは乾燥したグンドゥルックを水で戻します。

水で戻したら水を切って食べやすい大きさにカットします。

カットしたらマサラを用意します。
今回は、ニンニクと生姜のみじん切り、クミン、パプリカとチリパウダー、ブテコトリコテール(なければごま油とか)、レモン果汁又はライム果汁、塩。
あとはパクチーとか赤玉ねぎ。ちなみにポイントはちょっとすっぱくて辛くて塩が効いてる方がごはんが進みます。

これらを全部混ぜたら出来上がり。すごくシンプルで簡単。

こんな感じで自家製グンドゥルックのアチャールの完成です。簡単。

これとダールでごはんたくさん食べれます。一から作ると楽しいです。いろいろ勉強にもなるし。
最近は乳酸発酵を勉強中で、勉強していくほどにネパールのアチャールの合理的なのとか文化的なこととかが分かってきてほんと興味が尽きない。
今後もいろいろと掘っていきたいです。

ネパールのアチャール with スパイス番長

今回はアチャールの事、色々です。
東京からスパイス番長さまご一行がネパールに来られて、アチャールに関しての研修ということで色々とお供させて頂きました。
いやしかし、ネパールのアチャールは奥が深いです。僕もかなり勉強になったり、やっぱり皆さんの視点などから、普段気づかないことや疑問に思わないことが色々と知覚出来てよかったです。
3日間だったけど中々濃い内容になり、ネパールでもこんなに予定を詰め込めるんだなと思いました。疲れたけど。
初日は、僕もお世話になっているムスタンタカリチューロ(Musutang Thakali chulo) で午前はアチャールの作り方と、午後はアチャールセッション。僕は水牛のカレーと焼きナスのアチャールを作りました。
様子は下の感じです。
皆で朝の買い出し。スパイス番長勢揃い。
豆屋さん。
トマトやレモン等を購入。
買い出し終了の後のお茶タイム。
水牛のカレーを僕は作りました。
レストランでアチャール作り見学したり、アチャールセッションしたり。
最後に作ったのを盛り付ける水野さんと若。
最後にはダルバートとして完成。
スパイス番長の皆さんのハイエンドぶりに後ずさりしながらも一日を終えることが出来ました。
皆さんが作るアチャールもインドを基にしたネパールテイストいれた面白いものでした。
2日目は僕の知り合いの家2件を巡る感じで、1件目はダルバート食堂のスタッフのラビンの実家。ここでは基本的に発酵系の村スタイルのアチャールを教えていただきました。
バナナのつぼみ。
大根の天日干し。
ニンジンの天日干し。
 
色々完成したもの。ここでは発酵系。
ラビンのアマ。
ラプシの皮を剥く。
使用したスパイス色々。
混ぜる。
完成。これを瓶などに入れてお日様の下に数日置く。
習ったアチャール一覧。
アチャールとごはんとダルは最高に美味しい。
2件目は昔からの友達のサロージさんのお宅へ。ここではネワールスタイルのその日食べる用のアチャールを10品ほど教えていただきました。
いつもありがとうのディディ。
アルーのアチャール。
習ったの。10アイテム。ネワールのアチャールでその日食べるやつ。
最終日は、まずはLe Sherpaの向かいでやっているファーマーズマーケット。ここで売られているホームメイドアチャールの品々を大人買いしてテイスティングしていました。なんでか写真を一つもとっていません。。
まあ、気になったことを販売している人たちに聞きながら、ゆっくりして、僕はミャンマーにあるネパール人コミュニティーの話をミャンマー料理出しているお母さんから聞きいて、将来ダルバート食堂のメンバーでのミャンマーネパリの研修に一歩近づけた気がしました。
2件目は最近できたDa-Powレストラン。ここのオーナーはダージリン出身で、豚足のアチャールやTulpi(かたいチーズ)のアチャールなんかがあって面白かったです。
これは豚足のアチャール。
3件目はアチャール工場、といってもホームメイドスタイル。ここでは製品にしているだけあってマサラの他に入れているゴマや、マスタードシード、高菜の種や大根の種などを使用していてひと手間加えた美味しいものになっていました。特にラプシのアチャールがプラム系の香りがしっかりしていて今まで食べたラプシのアチャールで一番おいしかったです。
瓶詰作業中。
ラベル色々。
4件目はAchaar Ghar。これはパタン付近にあるアチャールを専門としたレストラン兼ショップ。レストランメニューにはテイスティングメニューとしてその日ある10種近いアチャールの何と何がそのメニューに合うかをお勧めしているレストランで、そのアチャールは全て無料!
気に入ったアチャールがあれば併設するアチャールショップで購入できるというもの。この店は一緒に同行されていた東京にあるアチャール専門店のハバチャルのオーナーさんの飯塚さんが見つけていらして、さすがアチャールへの嗅覚はすごいなと思いました。東京に行く際にはぜひよりたいお店でもあります。
ハバチャル
東京都世田谷区 南烏山5丁目18−15 Anoath南烏山 2F
そんな感じで、終始濃いメンバーで、スパイス番長さんたちが記録したアチャールはインドのものと合わせて200種類以上になったそう。この研修に僕も貢献できてたなら光栄です。
そして飽きずにずっとアチャールを取り続ける姿勢に一種の感動を覚えました。
そしてダルバート食堂でも今よりも、もっとネパールの人たちに喜んでもらえるアチャールを置いていこうと思いました。

マスタードシード tori/トリ ネパールのスパイス紹介

ネパールでよく使われるスパイスの紹介です。
今回は【tori】トリ(マスタードシード)です。
※スパイスのネパール語表記はこちらから→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2047

マスタードシードはネパールでは油の原料やコスメとしても大活躍しています。
また、葉の部分もサーグとして使用されたりと、生活に欠かせない植物です。

ネパールではスパイスとしてのマスタードシードはブラウンマスタードシードが主に使用されますが、イエローマスタードシードも使用します。
特にブラウンマスタードシードはアチャールに使用され、煎ったりそのまま等、目的の香りや、保存性の優先の有無でアプローチが異なります。
また、ネワール族の料理によく使われるマスタードオイルは煎ったブラウンマスタードシードを絞って作られています。
※マスタードオイルの工場の見学の記事はこちらから→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2067

そんなネパール産のマスタードシードはスパイス堂にて購入可能となっております。
ネパール料理にご興味がある方は是非!

フェヌグリーク methi/メティ ネパールのスパイス紹介

ネパールでよく使われるスパイスの紹介です。
今回は【methi】メティ(Fenugreek Seeds)です。
※スパイスのネパール語表記はこちらから→https://dalbhat-shokudo.com/archives/2047

メティはマメ科の植物の豆果で、ネパールではスタータースパイスやテンパリング用のスパイスとしてや、アチャールとして使用されます。
スタータースパイスで使用する場合には、真っ黒になって甘い香りが出るまで火を入れます。
タルカリや、肉のカレー、アチャールに至るまで幅広く使用されています。
油で火を入れた後の香りはまさしくネパールの香りです。

また、このメティを煎ってすりつぶしてマスタードオイルとスパイスで和えて作るアチャールや、
このメティを一晩寝かせるか、少し発芽させて煮て作るアチャールもあります。
どちらも非常に苦いですが、健康にいいとされています。

又、葉の部分はネパールではサーグ(青菜の炒め物)としても使用されます。
よく見かけるスパイスカレーの上にのっているカソリメティはこの葉を乾燥させたものです。

ネパール産のメティはスパイス堂並びにスパイス堂の通販サイトでも販売しております。
http://nepalspice.com/?pid=118517105


ネパール料理にご興味がある方は是非!

チヤ(チャイ)用のCTC茶葉 ネパール産/スパイス

今回はネパールのスパイスの紹介ではなく、ネパールでもよく飲まれているチヤ(チャイ)用の茶葉の紹介です。
チヤ自体はインドのものと比べると濃度が薄くて飲みやすいイメージです。インドのはすごく濃いイメージ。
ダルバート食堂ではネパール産のmechi社の茶葉を使用しています。
簡単に作り方を説明すると、
1.水250㏄にCTCの茶葉を10g入れて沸騰させる。
2.牛乳250㏄を足して弱火にして好みの分量で砂糖を入れて沸いたら完成。
です。

マサラチヤにする場合にはホールスパイス、例えば好みでカルダモンやクローブ、ドライジンジャー、黒コショウ、シナモンなんかを入れます。
単体だったりミックスさせて、上記の1.の茶葉入れる前に入れておきます。
ちなみにネパールでは普通はチヤと言ったら、スパイスは入ってませんし、飲んでスパイスの香りのするチヤならちょっとうれしくなります。

そんなCTC茶葉はスパイス堂にて販売中です。

簡単に作れるので皆さんお試しください!

ガラムマサラ ダルバート食堂オリジナルのダルバートマサラ

今回はガラムマサラ。
ネパールでは特に肉のカレーの時に使用します。レストランや家庭で作るものから、市販されているガラムマサラ系のミックススパイスを使用するのもあります。
ダルバート食堂のガラムマサラは、僕が随分と前にネパールでレストランで働いていた時のガラムマサラをベースにして作っています。
ネパールの肉系のカレーは、素材の味がしっかりとあるのでそれを活かす為、また、それにプラスアルファでスパイスを足してもガラムマサラが邪魔にならないような配合になっています。

【配合スパイス】
コリアンダー
カルダモン
シナモン
クローブ
メティ
ブラックペッパー
チリ
スターアニス
ブラウンカルダモン
フェンネル
カソリメティ

以上の11種類が配合されています。

ミートマサラや、そういった類のミックススパイスはどうしてもそのものの香りに引っ張られて、意外と応用が利きません。
ネパールでも、あ、ここはミートマサラ使っているとかすぐわかっちゃうし、レストランの色が薄れると思っています。
もちろん、ミートマサラやその他のミックススパイスにしか出せない香りもあるので、それを分かったうえで使用するのは全然オッケーなんですが!

ダルバート食堂のガラムマサラは、基本的には料理に使用するクミンの量から計算してそれぞれの配合を決めています。
それからちょっと粗めなのもネパール流。

そんなダルバート食堂オリジナルのガラムマサラはスパイス堂にてダルバートマサラとして販売中です!

又、下記のスパイス堂の通販サイトでも販売しております。→https://nepalspice.com/?pid=118517707
ネパール料理にご興味がある方は是非!